雪山での温度の不思議…

雪山に行ってみると不思議なことがあります。
それは暑いと感じること。

レイヤリングに困ります。

そんなお声をいただきます。
雪山登山に慣れるまでは考えることも多いかと思います。

今回は雪山で体感する温度について書いてみたいと思います。

雪山は暑いのか。

雪山ですから低い気温であることに変わりはありません。

答えはNoです。

暑く感じることはあっても、冬らしい気候に合わせた気温になります。残雪期の春であれば、春らしい天候に合わせた気温になります。またどんな時期でも朝、夕はより低い気温です。

その時々に合わせたレイヤリングが求められるのが雪山です。

 

考えなければいけない雪山での環境

雪山というイメージはただ寒い。
というわけではありませんよね。

自然環境であることは当然ながら、あなた自身で左右する環境も存在しており実際の雪山では考えなければいけないことがたくさんあります。

  1. 直射日光
  2. 日光の照り返し
  3. 風の強さ
  4. 高度
  5. 積雪量
  6. ザックの重さ
  7. 歩行スピード

7つ挙げてみましたが、あなたは想像がつきましたか。

1.直射日光

太陽が出ていることは有難いことですが、直射日光は直に照射し、体温を上げる一因となります。
ツバ付きの帽子をかぶるなど工夫次第で変化します。

2.日光の照り返し

森林地帯でも日光の照り返しを感じることはあり、森林限界を超えた箇所では遮るものがないため、照り返しの影響を大きく受けます。雪があることで太陽の熱を吸収する割合(2割ほどになります。)は劇的に減り、照り返しによって2倍近くもの紫外線などが身体を照射します。

3.風の強さ

風が吹くことで体感温度はグンと下がります。逆に無風の状態では体感温度に変わりはなく、むしろ暑いと感じることもあります。
Gore社のウィンドストッパー製品を着込んだり、風が直接肌に当たらないようにネックゲイターやバラクラバなどを着用することで風の影響を軽減できます。またピットジップ・ベンチレーションなど風の出入りを利用して衣服内の換気を行うことで体温の調節もできるようになります。

4.高度

単純に100M高度が上がることで約0.6℃温度が下がります。
高度を見込んでのレイヤリングなども大切な予測の一つといえます。

5.積雪量

積雪量が多いことで下半身の周りは寒気が纏いますが、ラッセルする機会が増えると運動量は増え、消費熱量などが高まるため必然的に身体の温度は上がります。

6.ザックの重さ

身体にかかる荷重が増えることで消費熱量は高まるため、身体の温度は上がります。
もちろんパッキングによる負荷も大きな影響を受けるため、アイゼンやピッケルの外付けなども考えなくてはいけません。

7.歩行スピード

歩行スピードが違うと消費熱量が異なります。それは体温に直結するため、早く歩こうとすると体温は上がります。こういったことから歩行スピードの速い人は薄着という方も多いですね。

 

汗のコントロールをどう考えるか

昔から汗で衣服が濡れるのは大敵というのが常識でした。
現在は速乾性素材の登山服がアンダーシャツや下着として発売され、昔と比べると汗冷えへの対策が容易になり、多少の汗は気にしないという方も増えつつあります。

・冷えを感じない歩行技術

長時間の休憩など汗をかいた後に冷えを感じることがあります。
その冷えを極力感じないようにすることも技術の一つです。
仲間たちを待たせることの無いよう、待つことのないようにペースを合わせて歩く必要もあります。

また推奨できる技術が急速な速度の変化を作らないことです。
ペースを上げる時は段階的に歩行速度を上げ、ペースを下げる時も段階的に歩行速度を下げることです。

・レイヤリング

登山の基本とも言われるレイヤリングを意識した着こなし。
ベースレイヤーからアウターに至るまで脱ぎ着しやすく、肌が直接空気に触れないようにしなくてはなりません。
もちろんグローブ(手袋)、ゲイター(スパッツ)、靴下、ネックゲイター、帽子(ビーニー)、バラクラバなどもレイヤリングや防寒、防風を意識した服装が大切になってきます。

・着替えられる環境

レイヤリングが上手な方は着替える頻度も少ないものですが、必要に応じて脱ぎ着をして快適な体温を保つようにしましょう。
また汗をかいた後に暖かい格好ができる環境か、また着替えができる環境があるかどうかも意識しなくてはいけない大切なポイントです。
やみくもに汗をかいて、その後寒い思いするのはあなたですから、事前に綿密な計画を立ててから雪山山行をするようにしましょう。

 

雪山での温度の不思議…まとめ

雪山で暑い、寒いと感じる要因は何かを考えていくと複合的な理由があることがわかりましたね。
他にも水分摂取量や酸素濃度によって筋肉の働きが大きく異なります。それにより低体温症に陥ったり、山行速度の低下から長時間の雪山山行になったりする可能性があります。

頻繁に雪山に通うようになるとレイヤリングにも慣れ、また私たちの身体も自然環境に順応していくようになります。
そこまでになれば、快適性は高く、楽しい雪山生活が送れるようになりますね。

楽しい雪山シーズンを過ごせるように準備しましょう。

 

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